前回、『慢性腎臓病とは、どんな病気?』では、腎臓の機能や病気・病状についてお話ししました。
今回は、主な症状についてお話していきます。
腎臓の機能は、主に『老廃物の排泄』、『ミネラル調節』、『血圧/赤血球の調節』ですが、
慢性腎臓病になるとこれらの機能が低下し様々な病状が現れます。
日常生活では病状の発見と管理が腎臓病とのうまく付き合っていく対応法になります。
◆主な症状◆
・尿毒症(老廃物の蓄積)
老廃物の蓄積により、嘔吐や食欲低下の症状がでることがあります。

・脱水(多飲多尿)
尿の濃縮機能が低下すると、尿量が増え(多尿)、体は水分を欲し、飲水量が増加(多飲)します。
飲水量が少ないと、脱水状態になります。

・組織石灰化
カルシウムとリンのバランスが崩れると、腎臓の石灰化が起こり、より一層腎臓に負担がかかることがあります。
・高血圧
脱水状態が続くと、全身の循環が悪くなるため、体が血圧を維持しようとして、血圧を上げようとします。
・貧血
腎臓病が進むと、腎臓からの造血ホルモンが不足し、貧血が起こることがあります。
これらの対応法は、
①食事管理(低リン食、低ナトリウム食、低たんぱく食)
②水分摂取量の増加(缶フードへの切り替え、水飲み場の設置数増加など)
③サプリメント(老廃物の分解(整腸)や吸着、リン吸着)などがあげられます。

腎臓は沈黙の臓器のひとつであり、血液検査や画像検査、尿検査で発見したときにはすでにある程度進行しています。
お家での飲水量や尿量に注意し、気になることがあればすぐにご相談ください。
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