心臓の筋肉に障害が起こる病気(心筋症)のうち、猫で最も発生が多いのが肥大型心筋症です。
好発品種(アメリカンショートヘア、ペルシャなど)があり、遺伝が原因の一つですが、雑種の猫でもときどき見かけます。甲状腺機能亢進症という病気に伴うこともあります。
この猫ちゃんは去勢手術の日、術前のレントゲン検査で異常が見つかりました。
VHS(椎体心臓サイズ)が9.0と大きくなっています(正常は7.5前後)。
同日、超音波検査もあわせて行い、肥大型心筋症と診断しました。
病気がかなり進行しないと、呼吸困難や血栓塞栓症などの症状を示さないことが特徴です。
治療は(議論のあるところですが)、β遮断薬、血管拡張剤、強心剤、抗血小板薬などを内服します。