高齢のワンちゃんが、背中の脱毛とフケを理由に来院しました。
そのフケを顕微鏡で見ると、たくさんの虫がいます!(どこにいるか分かりますか?)


これはDemodex canis というダニの一種で、毛包虫、デモデックス、ニキビダニなど様々な名前で呼ばれています。
その名のとおり毛穴に寄生しており、本来は病原性の弱い常在微生物です。
高齢のほか、ホルモン疾患や悪性腫瘍など免疫が低下する病気をきっかけに増殖し、毛包が壊れるなどして皮膚を傷つける原因となります。
以前にあった毛包虫症の治療薬は副作用を起こしやすいものが多く、獣医師泣かせの病気でした。
しかし2014年以降に発売された経口ノミ・マダニ予防薬(イソオキサゾリン系化合物)は毛包虫症に対して安全性・有効性ともに非常に高く、この薬によって数多くのワンちゃんが救われています。
このワンちゃんも、(写真だと分かりづらいですが)みるみる毛が生えてオーナー様も大満足でした!
