千葉・津田沼・習志野地域の動物病院グループ スマイルどうぶつ病院

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咳のお話2018.11.17

 「動物病院に連れて行かなくては」となるきっかけは様々あります。特に体調に何かしらの変化が見られたときが一番多いと思います。体調の変化として気が付きやすいものとしては「元気ない」、「食欲ない」、「吐いている」、「お腹壊している」、「くしゃみする」、「咳をするようになった」などがあります。
 今回は「咳」についてお話します。

 咳とは咽頭、喉頭、気管・気管支、心膜、横隔膜、胸膜、縦隔などに存在する咳受容体が機械的(痰や異物の混入、心拡大や腫瘍などにより気管・気管支が変異する、など)、細菌やウィルスなどによる感染での炎症性、刺激性ガスなどの吸入による化学的に刺激を受け、その情報が神経系を経由して延髄にある咳中枢に伝達され、そして神経系を介して声帯、横隔膜、肋間筋、腹筋が動いて起こります。

 咳の主な症状としては「こほっ、こほっ」や「がー、がー」など喉から発生する音として現れます。

 咳を起こす原因として心臓疾患(うっ血性心不全、進行した弁膜症による心拡大など)、気管・気管支疾患(気管虚脱、気管・気管支炎、気道内異物など)、咽喉頭疾患(喉頭麻痺など)、肺疾患(肺炎、フィラリア症など)があります。その他には短頭種気道症候群、アレルギーなどもあります。

 「咳」の原因を見るけるための検査の方法としては問診(どういった時にどういった咳が出るのか、原因を探る上で重要なヒントとなるのでよく観察しておくといいでしょう)、聴診(心臓の雑音の有無など)、レントゲン検査、血液検査(フィラリア抗原など)が主となります。その他には心臓超音波検査、気管支鏡検査、肺生検など特殊検査も場合によって必要になることもあります。

 治療方法としては上記に示した通り、原因が多岐に渡るため、「咳」の原因をしっかり見つけた上でその原因を治療してあげることになります。咳をはじめ、気になる症状が観察された場合には早めに動物病院にご相談ください。

咳を呈していない胸部レントゲン
咳を呈していない胸部レントゲン

 

気管虚脱(頚部)気管虚脱頚部

 

 

 

 

 

うっ血性心不全
うっ血性心不全

 

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